著者の三十六代木村庄之助ですが、現在(2014年3月)木村庄之助を務めているのが三十七代ですので、昨年5月(夏場所)をもって定年退職となった先代ということになります。
中卒で入門するまでの流れや行司の仕事内容から、所属部屋であった井筒部屋の話も出てきます。
最終的に立行司の木村庄之助となったので、現在横綱である白鵬・日馬富士の話も多めですね。
この人は番付表に相撲字を書いてきた人でもあるので、途中の相撲字に関する話はかなり興味深く読みました。
同じ相撲字であっても、書く人によって個性が出るもんなんですねぇ。
最後に「日本相撲連盟」に所属して、学生相撲などの主審を長く務めてきた浦嶋三郎さんとの対談も掲載されています。
結果的に定年後・本書の発売後となりましたが、鶴竜の初優勝と横綱昇格も喜んでおられることと思います。
文章が敬体でありながら、構成が読みやすく、勉強になりながらもほっこりする本でもあります。